TESA 手動式ハイトゲージ 400 / 700

TESA400/700は、スイスのTESAテクノロジー社が製造するハイトゲージのモデルです。本記事では、測定範囲、分解能、音響信号測定、平行度誤差測定、垂直度誤差測定、そしてRSS32データ出力といった多角的な観点から、このTESA400/700測定システムのコア機能と優位性について紹介します。

測定範囲:

TESA-HITE-400の測定範囲は0~400mm、TESA-HITE-700の測定範囲は0~700mmです。

分解能:TESA-HITE-400の分解能は0.001mm(1µm)、TESA-HITE-700の分解能は0.001mmです。

繰返し精度:TESA-HITE-400は約±(1.5µm)、TESA-HITE-700は約±(2µm)です。

特徴:TESA-HITE-400は中小部品の測定に適しており、TESA-HITE-700は大型部品の測定に適しています。

TESAハイトゲージは、卓越した測定精度を実現するため、内部構造に高度な技術が採用されています。その一つが、ベース下部に組み込まれた「エアクッションシステム」です。 このシステムは、検査員による精密測定をどのように支えているのでしょうか。 ベース底面には、無数の微細なエアホールが配置されています。これらのホールは内部のマイクロエアチャネルとつながっており、エア供給をオンにすると、底部から噴出した空気がベースと作業台の間にわずか数µm(マイクロメートル)の極薄い空気の膜を形成します。これにより、測定器全体が「浮遊」したような状態となり、作業台上を軽やかに移動することが可能になります。 一方、エアクッションをオフにすると、測定器はしっかりと「着地」。ベースが作業台面に直接接触し、安定した状態で固定されるため、測定の再現性と信頼性が確保されます。

TESA400\700は、柔軟に調整可能なデジタル分解能を備えており、TESA制御パネルによる迅速な粗測定から、マイクロメートル〜ナノメートルレベルの精密測定まで幅広く対応します。制御パネルでは、0.01mmから0.00001mmの間で、多段階の分解能を切り替え可能です。これにより、測定精度の要求に応じて最適な設定を選択できます。 ご存知の通り、0.01mmといった低分解能モードは、迅速な測定や大まかな位置決めに適しており、高速で読み取りやすいのが特長です。一方、0.00001mmの高分解能モードでは、ナノレベルでの精密測定を実現します。微小な寸法変化も確実に捉えることができます。 生産現場では、低分解能による迅速測定が効率向上に貢献し、高分解能を用いることで重要寸法を精密に管理可能です。これにより、効率と精度の両立を実現します。その結果、測定データの精緻化が進み、読み取り時の不確かさも大幅に低減します。精密部品の検査や科学研究における実験をスムーズに進めるとともに、人為的な読み取り誤差や計器の分解能制限を低減します。

TESA400\700は、自動頂点検出機能を搭載しており、穴や凸軸の測定に対応しています。その原理は、プローブもしくはタッチプローブで部品表面を走査し、接触点を自動的に検出するというものです。プローブが部品表面に接触すると、正確な位置座標が記録され、システムが自動的に「頂点」(穴の中心、凹軸の最高点、円錐角の先端など)を認識します。その後、複数の点の座標に基づいて幾何学的特徴(穴径、円の中心、凸軸の高さ、平面位置など)を計算します。この測定方法により、手動での一点測定が不要となるため、操作による誤差を低減できるとともに、測定速度も大幅に向上します。

音響信号による測定値を取得します。TESAは先進的な音響感知技術を採用し、プローブがワーク表面に接触した瞬間、自動的に音響信号を捕捉し、接触点を高精度に識別します。従来のハイトゲージや測針による測定で操作者がプローブの接触タイミングを「感覚」で判断する方式と異なり、音響信号測定はセンサーがプローブとワークの接触瞬間に生じる微細な振動/音波の変化をリアルタイムで監視し、自動的に接触点を判定します。人手による触覚が力加減・速度・手感触の個人差に影響されやすい課題を解消し、人為的な誤判断を排除するため、毎回の接触点再現精度が極めて高く(±1 µmそれ以上を実現)。音響感知システムはプローブ接触即時に表面を検知可能な特性から、精密な穴・軸・平面・薄肉部品などの汎用部品測定や生産現場での検査に特に適しています。

TESAには、平行度誤差を測定する機能が備わっています。測定システムでは、高精度の測頭/プローブを用いて、2つの平面または2本の線の複数箇所を多点測定します。システムは自動的に各測定点の空間的位置偏差を計算し、基準に対する最大偏差値、つまり平行度誤差を自動算出します。 機械部品の製造や組立工程において、平行度誤差は部品の組付け精度や動作時の協調性能に直接影響を及ぼします。TESAのマイクロメートルレベルの検出能力により、検査担当者は微小な偏差を早期に検知します。これにより、組立時の応力集中、動作時の引っ掛かり、シール不良といった問題を未然に防止できます。 これによって、高精度な組立要求を満たしながら、組立誤差を回避し、生産効率の向上を実現します。

デジタルセンサーを用いて、特定の直線角度を利用し垂直度誤差を測定します。TESA測定システムでは、高分解能リニアエンコーダ(通常0.0001mm以上)を搭載したデジタルセンサーにより、ワークピース上の互いに垂直な二つの特徴(直線、平面、または穴の軸線など)の空間的な偏差を精密に記録します。これにより、マイクロメートルレベルの分解能での高精度測定を実現します。

TESA測定システムは、標準装備のRS232データ出力インターフェースにより、測定データのインテリジェントな伝送を実現します。測定結果をリアルタイムでコンピューターや品質管理システムに転送し、自動的なデータ収集と管理を可能とします。これにより、人的な入力誤差を防止できるとともに、生産品質をリアルタイムで監視し、素早く偏差を検出することができます。

TESATM(スイス)のハイトゲージは、SCS校正証明書を取得しており、単なるメーカー内部の出荷検査報告書ではなく、SCS認定実験室における国際基準に沿った校正を実施しています。一般的に、SCSまたはILAC-MRAマークを有する校正証明書は、EU、米国、中国をはじめとする多数の国で承認され、国際的な信頼性が認められています。

当社では、TESA400/700ハイトゲージを導入し、製造工程におけるワークの精度をリアルタイムで監視します。これにより、作業効率の向上とデジタル管理を実現しました。安定した品質と信頼性の高い測定データに基づき、お客様の高基準に確実にお応えする製品をお届けいたします。

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